『OUR RUSTY WAGON』 深沼元昭全曲解説
【DISC 1】
01. ヴィルヌーヴに憧れて (1996 メジャー3rdアルバム「センチメンタル・キック・ボクサー」収録曲)
    多くのプレイグスのライブでの1曲目に演奏された。シングル曲でも、大きなタイアップが付いていたわけでもなんでもないのだが、リスナーの人達が選んでくれた代表曲、という感じで、現在動画サイトなどに残るライブ映像もこの曲のものは多いようだ。曲のほとんどの部分をギター・リフが占めていて、作曲中に「こんなの弾きながら歌ったら大変だな…」と思いつつも突き進んで作った覚えがある。'96年のオリジナル・バージョンは曲中通して同一テンポなのだが、オリジナルに準拠して同一テンポで演奏したらやはり違和感があったので、今回はライブバージョンと同じように局面でテンポが変わる形で録音した。今でも演奏していて非常にアドレナリンが出まくる曲であり、年齢を経たからと言って落ちついて演奏出来る、ということは無い。
02. ニューホライズン (2000年 メジャー6thアルバム「鮫とハイビスカス」)
    今回、ベースに林君が参加してくれて最も演奏が良くなった曲のひとつ。オリジナル・バージョンでは僕がベースを弾いているんだけど、雲泥の差。以前に僕のソロ・プロジェクトであるMellowheadのライブでも林君のベースで演奏したことがあり、そのときから「このベースで録りたい!」と思ってはいたので、今回このような形で発表出来たのは嬉しい。この曲はKeyがFで、1フレットにカポタストを付ける必要があったため、当時ライブでは曲間が空くことを嫌って外されることも多かった。何故か歌詞を忘れる事が多い曲でもあり、映像生中継のあったライブで、顔を抜かれる場面で思いっきり歌詞を忘れて無言のまま黙々とバッキングをする僕の映像が流れてしまったことがある。
03. プルメリア・レイ (2010年 新曲)
    ギター・リフだけは97~8年あたりに思いついていて、自分用のデモも録った記憶がある(微妙に違っているかもしれないが)それを膨らませて新曲として仕上げた。歌やコーラスの処理は、現在の僕の作風に近い感じになってしまったが、後藤との絡みは、やっぱりこれぞプレイグスという仕上がりになっているし、同時に林君のベースによる現編成での演奏の良い部分がよく出ていると思う。他のリテイク曲は、ほとんど1~2テイクで、ライブのようにレコーディングしてたのだが、さすがにこの曲は何度かテイクを重ねた。
04. ライド・ライド・ライド (1995年 メジャー2ndアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」)
    D.1-01.「ヴィルヌーヴに憧れて」と並ぶ代表曲で、初のシングル盤としてリリースされた曲。リリース前、曲選びの段階で「シングルにしては歌詞が不吉過ぎる」と言われたような覚えがある。(まあ確かに「葬送行進曲」とか、ね)メジャー1st「シナモン・ホテル」と2nd「リトル・バッファロー・ララバイ」の間にリリースされていて、よりアメリカンロック、特にサザンロック的な作風に傾倒していったその当時の雰囲気が色濃く反映されている。オリジナル・バージョンの演奏は15年前のものとはいえ嫌いではなく、不満があると言えばサウンドプロダクションだけなので、演奏自体は完全再現に近いものを目指した。最初のギターの音色やチョーキングのタイミングにも、きっと今まで聴いてきてくれたリスナーの人の思い入れもあるだろうし、そこを外したら萎えるだろうな、と思ったからである。2コーラス目から入る堀江君のピアノは流石で、初めて今回のテイクを聴いた時は入った瞬間に鳥肌が立った。こんなに古い曲なのにもかかわらず、だ。
05. ワンダー・ワンダー (1994年 メジャー1stアルバム「シナモン・ホテル」)
    シングル盤としてのリリースは無かったのだが、一応この曲がメジャー・デビュー曲と言っていいと思う。プレイグスがわりと得意としていた7thコード系のグルーヴィーなロックではあるのだが、D.2-04.「シルバー・チップス」などと比べると抑制の利いた感じの曲である、が、オリジナル・バージョンはテンションが低過ぎる。当時、慣れない大きなスタジオでのレコーディングということもあり、硬い演奏や歌になってしまっていた感は否めない。テンポやフレーズは同じでも、今作のバージョンはそのあたりが大きく変わっていると思う。
06. スピン (1997年 メジャー4thアルバム「ラブ・サバンナ」)
    アルバム「ラブ・サバンナ」の先行シングル。当時のバンドまわりの環境は、前作「センチメンタル・キック・ボクサー」が存外のセールスを得た事で、かなり混沌とした状況となっていたことは事実である。シンパシーを持って関わってくれていたスタッフが次々と外されて、僕自身かなりやさぐれていた記憶がある。(とはいえ、ビジネス規模的に言えばむしろ拡大していたので、まあ今考えれば当時の若造の自分にはしたたかさが足りなかった、という事なのだと思う)そんななかでも頑張って作ったつもりだったアルバムは、しかし、自他ともに認める残念アルバムとなってしまった。でも、この曲には、そんな状況をなんとかポジティブに変えていこうというそのときの執念が詰まっていた。今、再び演奏されたこの曲は今作のベスト・テイクのひとつになったと思う。
07. ブルーズ・フロム・ザ・バスルーム (1995年 メジャー2ndアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」)
    前述したように、サザン・ロックへ傾倒していた時期のアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」のオープニングナンバーだけに、その匂いが強い。それまであまり熱心にやってこなかったボトルネック奏法などをかなり練習してレコーディングに臨んでいた記憶がある。今聴くと、後藤のリズムパターンはかなり独創的で、全体としてはオーソドックスな雰囲気なのだが、かなり面白いアンサンブルになっている。エンディングのギターリフは、前作である「シナモン・ホテル」の最後の曲(表題曲)「シナモン・ホテル」のテーマのリフを踏襲していて、「アルバム」というものを作っていくバンドとしての連続性にかなりこだわっていたことが伺える。
08. 最後のハイウェイの夢 (1996年 メジャー3rdアルバム「センチメンタル・キック・ボクサー」)
    オリジナル・バージョンが収められたシングルはスカパラ・ホーンズが参加していて、また、森若香織さんにもコーラスとして参加してもらった。シングル曲らしいシングル曲ということを非常に意識して作った曲であり、この曲からセールス規模が大きくなっていったことは多少なりとも自信にはなっていったと思う。歌はかなりハイトーンを意識して使っていて、ライブではしょっちゅう声を枯らしていた、歌うのが大変な曲である。今回はとてもシンプルなライブバージョンに近い演奏で収録した。
09. シトロエン幻想 (1995年 メジャー2ndアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」)
    デリケートな中間部の演奏や、変わったアンサンブル等の理由でライブでの演奏機会が少なかった曲。今やるとなんて事は無いのだが、このあたりは、それなりに成長したのかな、と思う。(林君のどっしりとしたベースの恩恵もあると思うが)一発録りでないと録れないアレンジなので、バンドの息が合っている事が大事なのだが、そういう意味で直前に今の編成でライブをやっておいた事は良かった。この曲もかなりハイトーンよりのボーカルである。当時は、作曲してからキーを半音ないし一音上げて高くする事が多かった。
10. ファントムガルシア最後のレース (1995年 メジャー2ndアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」)
    ライブでは非常に盛り上がりハイライトとなることが多い曲だが、これもオリジナル・バージョンは意外に冷静だった。これもライブバージョンに近いアレンジで収録した。ライブのアレンジは、この曲に対してこだわりが強かった後藤のアイデアが多かったと記憶している。全く同じギター・ソロを2度重ねるアレンジは当時のエンジニア氏のアイデアなのだが、今でもこの手法はよく使う。(この曲のようなアドリブ色の強いランダムなソロでやるからこそ効果が強い、と思う)今ではエンジニア的な事も自分で手がけるようになったが、こういった過去のエンジニア氏から学んだ事が経験として僕の引き出しに多く入っているからこそ、だと思う。
11. ハイビスカス (2000年 メジャー6thアルバム「鮫とハイビスカス」)
    当時、とにかくシンプルでヘヴィーでテンポの速い曲を書こうと思って、スピーディーに書き上げた曲。オリジナル・バージョンは若干地味で振り切れてない気がしたので、その辺を気をつけてリテイクした。普段あまり使わないメタリックな音色やフレーズを多用して非常に楽しくレコーディングできた。ボーカルは、弾き語りでまったりとしたバージョンで歌った経験が幅を広げていると思う。
12. すれちがうだけ (2000年 シングル「昇る陽より東へ」)
    特に代表曲でもなく、ライブでの人気曲でもなく、アルバムに収録さえされていないこの曲を録り直したのは、ひとえに、「惜しい!」という気持ちがあったからだ。原曲としては今聴いてみるとかなり面白い、と感じたが当時の「いままでやってない新しい音」にこだわる気持ちが出過ぎていて、あまり良いテイクとはいえなかった。今回は曲全編通して、ドラムソロのように手数の多い後藤のパターンと、全く支える気のないような自由なベースライン、プログラムされたシーケンスのようなギターカッティングという元々の特徴を生かした良いテイクになったと思う。
13. リアル・シング (1998年 メジャー5thアルバム「PLAGUES V」)
    後藤と2人バンドになった初のアルバム「PLAGUES V」に収められている、アルバム内ではかなり異色のブラックミュージック感が強い曲。オリジナル・バージョンは、岡本が脱退したため、急遽、急造ベーシストとなった僕が苦労して弾いている跡が伺える。曲調としては、後のプロデュースやソロの作風へ繋がる感じである。
14. どうしようもない世界、寛容な僕ら (1995年 メジャー2ndアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」)
    以前も書いた事があるのだが、特に、歌詞の面では相当に満足のいっている、そして今では新曲の作詞時に大きな敵となって立ちはだかる曲である。この曲のコーラスは後藤の声でないと成り立たないし、ピアノも堀江君でないとしっくり来ることはないだろう。細部に思い入れを持っている人達の思いを大事にしてレコーディングしたつもりだ。
15. スープ・アップ・バグ (1993年 インディーズアルバム「カリフォルニア・ソロウ・キング」)
    ライブでは最後に演奏される事が多い、何も考えずに盛り上がれるバカ・ロックである。何も考えずにワンテイクで録った。ちなみに、ライブリハーサルでは敢えて演奏しない事がほとんどで、僕と後藤はかえってその方が良かったりするのだが、あまりに演奏機会が少ないので、林君には「「Soup up bug」やりましょう!」とリハーサルでよく言われる。彼にとっては新曲に等しいわけだから当然なのだが、この短期間で沢山の曲を覚え、自分のものにして「プレイグスのベーシスト」になってくれた林君は、本当に尊敬に値するとしか言いようが無い。

【DISC 2】
01. 凱旋門 (1998年 メジャー5thアルバム「PLAGUES V」)
    アルバム「PLAGUES V」に収録されていて、その歌詞は、岡本が脱退した事と絡めて語られる事が多かったのだが、実は岡本在籍時に既に出来つつあった曲である。岡本脱退後の2人期にリリースされた曲の中ではライブでの人気も高く、個人的にも最も好きなシングル曲のひとつ。(岡本)達也はこのアルバムのレコーディングリハーサルのある日、一応スタジオには来つつ、そのままふらっと辞めてしまったわけだが、その日残された僕と後藤でベースレスで合わせていた事が思い出される。まあ、しょうがないから今日は2人で合わせるしかねえよなって感じで。このアルバムのツアーでは(今作のデザインも手がけてくれた)Curly giraff 高桑圭君がベースを担当してくれたのだが、ツアーのリハーサルも圭君が自分の(Great 3の)ツアーで不在だったため、ツアーのリハーサルもほぼ2人でやっていた。
02. ハッピー・プレイス (1996年 メジャー3rdアルバム「センチメンタル・キック・ボクサー」)
    「最後のハイウエイの夢」と並んで、シングルとして強く意識して作られた曲。局面ごとのテンポチェンジなども多くて、演奏はかなり難しい部類。この曲は堀江君は自宅でキーボード類をダビングしているのだが、後から合わせたとは思えない一体感が出ているのは流石だ。今回のレコーディングでは、最初の方に歌を録ったのだが、なんとなく1ヶ月弱レコーディングを続けて「プレイグス声」になったなあ、と思ったので。レコーディング終盤でメインヴォーカル、コーラス共に全て録り直した。
03. フローズン・ビーチ (1996年 メジャー3rdアルバム「センチメンタル・キック・ボクサー」)
    演奏が、特にドラムがひたすら複雑な、難度の高い曲。ごく普通にグルーヴィーなだけでは飽き足らなくなって書いたと思われる。これも演奏中にアドレナリン出まくり系で、ビシっと決まると本当に気持ちのいい曲である。オリジナル・バージョンと張り合うように演奏した。
04. シルバー・チップス (1993年 インディーズアルバム「カリフォルニア・ソロウ・キング」)
    21~2歳の頃に書いた、まさにプレイグス初期を代表するような作風の曲。これも余計な事を考えずにワンテイクで録った。アルバム「カリフォルニア・ソロウ・キング」リリース後、当時、Atomic swingというスウェーデンのバンドが来日したときに一緒にヘッドライナーとしてツアーを回ったりしたのだが、彼らがこの曲を気に入ってリハーサルでちょっと演奏したりしていた。僕らも彼らの曲をリハでやったりもして、彼らとは年も近かったので、とても楽しいツアーが出来た。
05. グッド・ムーン・ライジング (2010年 新曲)
    この曲も03.「プルメリア・レイ」と同様にイントロのアイデアだけは当時のものである。(本作には収録されていないが、シングル曲「OK」のイントロとも似ている)歌詞は当然今回のレコーディング直前に作ったので、あくまで今の作風なのだが、やはりプレイグス風に聴こえる気がするのだけど、どうだろう?。そこまで意識して書いたわけではないのだが。これも新曲なだけに、それなりに何度かテイクを重ねた演奏であり、また、純粋な現編成でのアレンジだ。
06. 音速の箱庭 (1994年 メジャー1stアルバム「シナモン・ホテル」)
    「シナモン・ホテル」は独特の空気感のあるアルバムで、比較的メロウなこの曲も、以降の似たような曲達とは異なる、乾いていてちょっと冷たい感じの質感がある。そして、原曲からの成長度合いなど、現編成で何故かしっくり来て、より良く響くものがこのアルバムからのものに多いのが不思議だ。「リトル・バッファロー・ララバイ」の曲達をリテイクするときのオリジナル・バージョンを尊重しつつ、距離感を意識しつつ、で作っていく過程とはだいぶ異なる感じがするのが面白い。
07. ヘイ・ミスター・ドリーマー (1996年 メジャー3rdアルバム「センチメンタル・キック・ボクサー」)
    ライブの2曲目の定番である。この曲も局面ごとにテンポが変動しているうえ、普通の譜割では割り切れないタイミングのキメのフレーズなどもあるため、演奏には慣れが求められる。中間部は、オリジナル・バージョンが少し味気ない感じだったので、新たにギターのフレーズを増やす方向でアレンジした。
08. トゥモロウズ・ソロウ (1994年 メジャー1stアルバム「シナモン・ホテル」)
    これはライブのリハーサルの時からだったんだけど、現編成で、特に意識せずそのまま演奏したのにとても良くなったように感じた曲のひとつがこの曲。アレンジは全くそのままなのだが、とても新鮮な気持ちで演奏できた。やはり、バンドというのは生き物だなあ、と思う。ちなみに今回のレコーディングで最初にギターソロや歌を録ったのもこの曲だ。
09. 1000マイルの彼方で (1993年 インディーズ・ミニ・アルバム「ビーチライダー 77」)
    今作中、最も古い曲。オリジナル・バージョンを聴いたのもかなり久しぶりだった。人の作る音楽の根幹はそうそう変わるものでもないので、当時の自分のやりたかった事はよくわかる気がした。オリジナルでもまだ堀江君が参加していなかったので(オルガンはKoike"AMIGO"Hiro氏)、今回は僕がオルガンを弾いた。「ビーチライダー77」はプレイグス初のアルバムではあるのだが、ちょっとUK色が強い、ある意味異色なアルバムであるのが面白いと思った。
10. グライダー (1997年 メジャー4thアルバム「ラブ・サバンナ」)
    この曲のイントロのシンセ・ソロはちょっとアイデアがあったので、あえて堀江君に頼まずに自分でチャレンジしてみた(まあいまいちだったら頼もうかとも思ってたんだけど)今回のバージョンではそのイントロはギター・シンセで堀江君のフレーズをコピーして弾いている。正直不安定な出音の機材なので苦労したが、なかなか面白い感じになったと思う。とはいえ、この曲の8割はギターソロ前の「カモン!」にかかっている。この超ハイトーンシャウトの声が出なかったら収録をやめようかとも思っていた。今のところ当時と変わらぬ音域で歌える事は幸運だな、と思う。
11. まっぷたつの僕 (1996年 メジャー3rdアルバム「センチメンタル・キック・ボクサー」)
    何も考えずにやるべきバカ・ロックその2。
12. カリフォルニア・ソロウ・キング (1993年 インディーズアルバム「カリフォルニア・ソロウ・キング」)
    冒頭の強烈なファズサウンドを作り出すのに苦労した。「カリフォルニア・ソロウ・キング」はGOK Soundという貴重なヴィンテージ機材がごろごろしている特殊なスタジオで録音されたので、この曲のオリジナル・バージョンのようなこういった唯一無二のヴィンテージ機材による音も少なくない。インパクトで負けないようなギターサウンドを時間をかけて作った。演奏自体はあっという間なんだけど。
13. トランキライザー・ガン (2001年 メジャー7thアルバム「フロム・ハワイ・トゥ・ヘル」)
    2人期のシングルでもかなり好きな曲なのだが、オリジナル・バージョンはちょっといろいろ詰め込み過ぎ、と思ったのでフレーズは再現しつつシンプルなバージョンにした。こういう曲をいくつになってもテンポを落とさずに演奏する事は大事だ、と個人的には思う。というか、ばっさりと言うが、僕はテンポが遅くなるのが好きではないのだ。この先どんなに年をとっても、テンポ感に関する「前のめり指向」はもう変わらないと思う。
14. ワンダリン (2001年 メジャー7thアルバム「フロム・ハワイ・トゥ・ヘル」)
    「フロム・ハワイ・トゥ・ヘル」は現時点で最後のオリジナル・アルバムなので、当然今と最も距離的に近いアルバムということになる。当然演奏力やサウンド指向なども比較的今に近いわけで(このアルバムは既に僕がミックスを手がけていた)はっきり言って不満が特にない部分も多い。この曲「ワンダリン」も楽曲としてはとても満足していて、絶対に収録したかったのだが、オリジナル・バージョンがかなり良かったので、この曲に関してはオリジナルの音源をだいぶサンプリングした。ただ、全体としては当時以上に思い切った生演奏に近いサウンドに仕上げた。

<あとがき>
15. 錆びたワゴンは旅路の果てに (1994年 メジャー1stアルバム「シナモン・ホテル」)
    オリジナルは「シナモン・ホテル」の2曲目に収録されているこの曲が、今作の表題曲です。歌詞の登場人物が最後にスプレーで書く「We were here」このアルバムでプレイグスの過去の作品、今では入手する事が難しくなりつつある曲達をもう一度、あるいは初めて、みんなに聴いてもらって、こういうバンドが90年代にこういう曲達を送り出していたのだ、ということを改めて知るきっかけになれれば、ということは、このアルバムを作った理由のひとつです。でも、それは「were」なだけではなく、今有るバンドとして鳴らしたかったし、その音をアルバムとして(各曲の年代に関係なく)聴いて欲しいと思い、全てをリテイクしました。錆びたワゴンは'02年にいちど止まってしまったけど、その後いろいろな思い入れを振り返りつつも、2010年に、一つのロックバンドがちょっと長いアルバムを作りました。それが、みんなの中にそれぞれの響きを持って存在してくれたら最高に嬉しく思います。



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