『Swamp riding』 深沼元昭全曲解説
Yes
    2001年当時、次のPLGSの音を模索しつつも結局休止することになり、それでも今ある新曲はレコーディングしよう、というような形で録られたのが『Iskander』に収められたオリジナルバージョン。実際のレコーディングも僕の作っていたデモを元にして作られた感じで、バンド感が薄かった。今回はしっかりと「今のプレイグス」が一から演奏しているので、全くもって違う。そして、この曲の林(幸治)くんのベースはもはや「リード・ベース」と言って良いほどの存在感。
【Original Version:レア・トラック集「イスカンダル」収録 <2002>】
Wild blue paint
    PLGS初の単独作品である『Beachrider77』の1曲目に収録されていて、当然この『Swamp riding』では最も古い曲となる。が、最初の作品とはいえ、『Beachrider77』は全てが当時ライブで演奏していた曲をレコーディングものというわけでもなく、この曲も書き下ろしだった。以降もライブよりもレコーディングが先という場合が多い。まあ当時のリリースペースが速かったということもあるが。この曲のオリジナルバージョンのキーボードは堀江(博久)くんではなく、小池アミイゴさん。
【Original Version:インディーズ/ミニ・アルバム「BEACHRIDER 77」収録 <1993>】
Fictions of life
    岡本(達也)が脱退して後藤と2人になった時期にリリースされた『Plagues V』に収録されている、何気にシングル曲。アルバム内では長いメドレーの中の1曲だった。当時シングルカットする時は、メドレーからこの曲部分を取り出して後からイントロを付けた。この時期はキーボードもベースも僕が弾いている。今作では堀江くんに弾いてもらったが、やはりキーボーディストが弾くとひと味違う仕上がり。エンディングにさりげなくMoogシンセを追加してくる辺りは流石のセンス。この曲は曲中でテンポも変化するので、レコーディングではそのノリを失わないように、ライブとなるべく同じ状態で録れるように留意して録った。ちなみに、この曲のMVは休止以前のものの中では一番好きだ。
【Original Version:5thアルバム「Plagues Ⅴ」収録 <1998>】
とりとめのない太陽
    「Yes」と同様に『Iskander』に収められていた未発表曲。何度かライブのMCでも言及してきたが、歌の平均音程が高く、正直この曲だけはキーを半音下げたほうが良いのでは?と思い、林くんにもそう伝えてあったのだが、レコーディング当日に演奏しながら歌ってみるとどうにもしっくりこなくて、結局オリジナルキーが一番、ということでそのままのキーで録った。突然の変更にも林くんは全く動じてなかったけど。
【Original Version:レア・トラック集「イスカンダル」収録 <2002>】
Dream eater
    新曲。最新のオリジナル・アルバム『Cloud Cutter』には間に合わないタイミングで出来た曲だったので、次のオリジナルアルバムに収録しようかと思っていたのだが、リハーサル等で演奏してみて、後藤も結構リズムの感じ等が気に入っていることもあり、良い感じに仕上がってしまったのでレコーディングすることに。この曲はリズムセクションが引っ張るタイプのアンサンブルにしたかったので、ギターは歌いすぎず、テクスチャー的に弾くことを心がけた。
【新曲 <2013>】
37.5℃
    当時、ようやく自分でサウンド全体の音作りが出来る環境が整ってきていたので、いろいろやりたい欲が強く、そのため、オリジナルバージョンはかなりサウンド的に作り込みすぎたものになった感がある。今バージョンはよりライブに近い自然なバンドサウンドに近いかたちで録った。アッキー(藤田顕)がサポートで入るライブでは後半の長いギターソロがライブ全体のハイライトの一つになる。今回も彼に長いギターソロを弾いてもらった。同じレス・ポール使いだが、僕との音の違いが面白い。
【Original Version:7thアルバム「FROM HAWAII TO HELL」収録 <2001>】
I don't know
    『California sorrow king』収録。シンプルでポップな曲調で、出来た当時はPLGS内でわりと異色な曲だった。シンプル過ぎるが故に、一時期はセットリストから外れていたのだが、今はこの曲を非常に楽しんで演奏出来るあたりが、一回転したのかな、とも思う。
【Original Version:インディーズ/フル・アルバム「CALIFORNIA SORROW KING」収録 <1993>】
Pretty shelter
    『Ride, ride, ride』のシングルのカップリングになっていた曲で、地味な存在ながら再演を望む声を多く聞くので収録した。25歳には渋過ぎる曲調だが、一生懸命枯れた感じを出そうとしていたオリジナルバージョンも悪くない。が、やはり今のバンドのほうがずっと楽しんで演奏出来る感じではある。
【Original Version:1stシングル「ライド・ライド・ライド」C/W収録 <1994>】
Pizza solution
    今思えば『鮫とハイビスカス』はPLGSサウンドの良い部分を自分たちでしっかり再確認するような意識で作られたアルバムだった。その1曲目がこの曲。リフ中心のシンプルなロックンロールで、無駄の無い感じが自分でも気に入っている曲だ。オリジナルバージョンに不満があるとすればそれは(自分が弾いた)ベースだった。こういうシンプルなベースラインでこそ、ベーシストの実力、説得力というものが必要になるのだと思う。今回の林くんによるベースと是非聴き比べて欲しい。(この曲はベースが途中から入るのでよりわかり易いかと)
【Original Version:6thアルバム「鮫とハイビスカス」収録 <2000>】
Revlon sister
    この曲はライブでのいわゆる「タメ」と後半のさりげなく加速する展開などが重要となるので、これもクリック類は一切使わずライブの雰囲気で録った。当時はライブではメインのリフをアッキーに任せていたが、今は弾きながら歌っている。やってみればなんということがなかったのだが、やはり、当時この時期は(岡本脱退の直後で)ライブの本数が少なく、場数から来る余裕が無かったんだろうな、と思う。
【Original Version:5thアルバム「Plagues Ⅴ」収録 <1998>】
I hate this music
    休止前の最後のシングル曲で、自分としては珍しく一人称が「俺」の曲である(今はあまり珍しくなくなったが)ある時期の自分の中でのテーマソング的な曲に別れを告げて先へ踏み出そうとするというモチーフで、自分としてはかなり歌詞が気に入っていた。
【Original Version:7thアルバム「FROM HAWAII TO HELL」収録 <2001>】
心を放て
    リテイク第一弾の『Our rusty wagon』ではそこからたくさんの曲が収録されていた初期代表作といえる『Little buffalo lullaby』だが、今作ではこの1曲。3ピースらしいシンプルなアンサンブルなので、これも生演奏をいかにそのままの雰囲気で録音物にうまく仕上げるかということに気を配って完成させた。これは特にテンポも変わらないのだが、なんとなくノンクリックのほうが良かったのでそちらのテイクを採用した。(ちなみにリズム隊の2人はクリック入り、ノンクリックの2回しか演奏していない。相変わらず超絶にテイク数が少ない2人である)
【Original Version:2ndアルバム「リトル・バッファロー・ララバイ」収録 <1995>】
Twins dolphin ring
    堀江くんお気に入りの曲で、よく強制的にセットリストに入れようとする。今回も選曲段階で「あれは入ってるよね?」と確認を忘れなかった気がする。お気に入りだけにさすがに素晴らしいプレイをしている。当時プレゼント等でたくさん指輪を頂いたのだが、僕はアクセサリーをすぐなくす(特に指輪はギター弾くときに外すので…)ので一つも残っていません。すみません。
【Original Version:インディーズ/フル・アルバム「CALIFORNIA SORROW KING」収録 <1993>】
Mouse
    かなり古い曲で、もしかしたら曲自体は「Wild blue paint」よりも以前からあったかもしれない。もともとアコースティックな曲として思いついたものをヘヴィーな曲に仕上げるという「凱旋門」とにたような成り立ちをしている。たまにアコースティックライブで演奏するこの曲が実は思いついたときに近い形である。(本来のコード進行はAm9-D9だった)
【Original Version:インディーズ/フル・アルバム「CALIFORNIA SORROW KING」収録 <1993>】
パルチザン
    当時よくライブのだめ押しのアンコールで演奏されることが多かった曲で、そういうイメージで聴いている方も多いと思う。今回録り直してみると意外にも細かいノリで丁寧なプレイを要求される曲だったと気付いた。「空砲を放つのさ」の「さ~~~」の歌い回しが当時はあまりうまくなくてこの曲を録るときにかなり練習した憶えがある。今ではすっかり「歌い癖」になってしまったが。
【Original Version:1stアルバム「シナモン・ホテル」収録 <1994>】
眠っているのなら
    初のフルアルバムである『California sorrow king』の最後に収録されていたPLGSには数少ない長尺の曲で、初期の方向性に重要な影響を与えた曲でもあると思う。まだその当時はサザン・スワンプロックへはそれほどは傾倒していなかったのだが、94年あたりから聴くものも書くものにもその傾向が出始めていた。オリジナルバージョンではサビのコーラスは・・・・・・・・・さん、そして中嶋朋子さんが曲終盤のを歌ってくれていたのだが、今回はMellowheadでもお世話になっている真城めぐみさんにお願いした。独自の解釈で後半に素晴らしい展開を作ってくれて、曲に新たな魅力が加わっている。
【Original Version:インディーズ/フル・アルバム「CALIFORNIA SORROW KING」収録 <1993>】
深沼元昭



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